2022年1月15日 トンガ王国フンガトンガ・フンガハアパイ火山の噴火
合成開口レーダー(SAR)解析によって明らかとなった地形変化作成:2022年1月26日, 更新:2022年2月2日 English version of this page 概要2022年1月15日(UTC)にトンガ王国の首都ヌクアロファから北に約60kmの位置にあるフンガトンガ・フンガハアパイ(Hunga Tonga-Hunga Ha'apai)火山が噴火しました。噴火に伴う地形変化やトンガタプ島の状況を把握するため、日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用して画像の分析を行いました。
これまでの解析により、以下のことが分かりました。 ・フンガトンガ・フンガハアパイ火山の中央部に噴火による影響とみられる明瞭な地形変化が認められます(図1,2,3,4)。 ・トンガタプ島で噴火後に反射強度が下がっている領域が見られます(シアン;黄色で囲った領域)。津波などの原因で浸水または水没した可能性があります(図5,6)。 使用SARデータ
*1 W:広域観測(Wide),F:高分解能(Fine) (参考: ALOS-2プロジェクト/PALSAR-2(JAXA)) フンガトンガ・フンガハアパイ火山のSAR強度画像
図6. 2020-03-07と2022-01-22のRGB画像(拡大図)。水色(GB:Cyan)は浸水または水没していると思われる地域を示します。 [PNG: 1MB] ※加色混合画像(RGB合成画像)について
1回目の観測のSAR強度画像に緑(G)と青(B)を,2回目の観測のSAR強度画像に赤(R)を割り当てて画像を合成しています。 水部では散乱強度が弱くなります。この性質を利用して、浸水または水没した領域では、2回目の観測で散乱強度が弱くなり水色(GB)として表示されます。 (SAR画像を用いた加色混合法) 解析範囲図7. 解析範囲 解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA
本成果は火山噴火予知連絡会衛星解析グループの活動を通して得られたものです。 分析に使用した人工衛星日本の地球観測衛星 「だいち2号」(ALOS-2)
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